環境

 信夫山は、標高268m、周囲約7kmの丘陵であり、アカマツ、ネズなどの針葉樹やコナラ、クリ、トネリコなどの広葉樹も多く、人工的な社寺林、墓地、公園もありスギ、モミ、カエデ等の巨木も一部に残っている。
 信夫山は古名を青葉山ともいい樹木の生き茂った山だったようだが、展望台や車道が建設され、山麓部には住宅地も造成されて樹木の伐採がすすみ昔の面影はない。しかし、平野の中に浮かぶ孤島のような山でもあることから渡り鳥の絶好の目標にもなっており、春と秋の渡りの季節には思わぬ鳥に出会うことがある。

 

交通

 JR福島駅より福島交通バス市内循環線で、体育館前下車、徒歩5分。車利用の場合は護国神社前に駐車場がある。

 

季節

 信夫山公園から護国神社の脇を通りしばらく車道を登ると三叉路になり、左側を行くと第一展望台に出る。このコースでは、シジュウカラ、エナガ、ホオジロ、キジバトなどが通年見られ、4月下旬頃になるとオオルリ、センダイムシクイ、キビタキ、メボソムシクイなど渡り途中の鳥たちの姿が見られるようになる。秋から冬にかけてはビンズイ、ヤマガラ、アオゲラ、キクイタダキ、ヒガラ、コガラ、アオジ、ウソなどが見られる。
 第一展望台からは福島市街が一望できること、また手軽に登れるのでおすすめのコースの一つである。先ほどの三叉路から真ん中の道は羽黒神社への参道でやや登りがきついが、ヤブサメ、メジロ、サンコウチョウ、コゲラなどが出迎えてくれる。
 登り切った所には少しばかりの畑もあり、キジ、コジュケイ、モズ、またこの辺りからタカ類を見ることが多くなる。鳥居を潜ると数軒の人家がある。昔からここに住み着いている人達で歴史的な面を垣間見ることができる。更に石の階段を登ると羽黒神社にでる。周囲を杉の大木に囲まれておりその昔は信仰の象徴であったことが伺い知れる。この付近では、春から夏にかけてはサンコウチョウ、オオルリ、ヤブサメ、ウグイスなどが、秋から冬にかけてはジョウビタキ、ヒガラ、キクイタダキ、カシラダカ、それにハイタカやハヤブサなどタカ類の飛翔が間近に見られることがある。この羽黒神社のある頂上から東に降りると第二展望台に行く道があり、モズ、アオジ、キジ、コジュケイ、メジロ、キジバト、カケスが多いところである。
 信夫山は市街地の中にある山ということと、人家が点在しているということで車道が整備され、そして遊歩道も整備されている。初心者の方でも手軽にバードウオッチングが楽しめる。